2017年7月24日月曜日

説教「主イエスの弟子たちへの報い」(マタイ福音書第10章34節~42節)

マタイによる福音書第1034-42節、2017723日(聖霊降臨際後第7主日礼拝―緑―)、エレミヤ書第285-9節、ローマの信徒への手紙第615-23節、讃美唱119/13(詩編第119145-152節)
 
説教「主イエスの弟子たちへの報い」(マタイ福音書第1034節~42節)

 聖霊降臨後の第7の主の日を迎えました。私たちは今日も、旧約聖書からは、エレミヤの預言の言葉、昔から多くの預言者たちは、災い、飢饉、戦争などを預言してきたが、ハナンヤよ、平和を預言するのであれば、それが成就したときに、初めて、その預言者を主が遣わされたことを、我々は知るのだとのみ言葉を聞きました。
 また、使徒書からは、ローマ書から、使徒パウロの、神の恵みによって我々は救われたのなら、もはや何をしてもいい、罪を犯してもよくなってしまうのではないかとの疑義に対して、決してそうではない。私どもはかつては罪の奴隷であったが、今や、無代価で救われて、義に生きる僕となっている、神は感謝すべきかなとのみ言葉を与えられました。
 また、まだ、私どもの式文では朗読はされていませんが、讃美唱、詩編第119からは、私たちの神は昔から伝えられてきたお方であるとの詩人の告白を聞きました。そして、今日の福音は、マタイ福音書第10章の34節以下であります。
 それは、主イエスによる12弟子たちの宣教への派遣のみ言葉であります。
それは、もちろん、その通りに一気に、主イエスによって、そのように語られたわけではない。主が語られ言葉を、マタイが、私共のために、記憶に残りやすいように、今の形に記してくれたものであります。
 迫害と殉教が続く中で、これらの言葉は、書き記され、記憶にとどめられたのであります。
 そこで、主は、まず、「私が来たのは、平和を投ずるためではなく、かえって、剣を、なのである」と記されています。私たちが、福音を説教するとき、そこに不和が起こるべきなのであります。今のままでいい、安楽な現状にとどまっていればいいと説く説教者は、今日のみ言葉に背いているのではないでしょうか。
 教会は今のままでいい、耳に心地よいみ言葉を、牧師は語っていてくれればよいと考えるのは、意外と多くの教会員であるかもしれません。
 しかし、主イエスの福音を携えて、弟子たちが、出ていくとき、それは、神の不和をもたらす、今までの生き方とは、異質な、新しい生き方を要求してくるものとなるのであります。
 それまでの平穏であった家庭に、剣が投じられるに至るのであります。それは、まことの平安がもたらされるために通らねばならない、十字架と受難と闘いを、もたらすからであります。
 ここで、主は、メシアの時代にそうなると信じられていたミカ書の預言の言葉を引用されます。
「息子は父を侮り、娘は母に向かって立ち上がり、嫁も姑に向かって立ち上がる、その人の敵は、その家の者である」とのみ言葉であります。
 福音が伝えられるとき、身内の中でも誤解は反対が起きる。主イエスも、宣教をはじめられたとき、その母や兄弟たちは、主イエスを取り押さえに来たと記されているのであります。
 そして、主はその時、弟子たちを指して、ここに、私の母がおり、兄弟たちがいると明言されたのであります。
 そして、主は、私よりも、父母を愛する者、また、自分の息子や娘を愛する者は、私にふさわしくないと言われます。主は、私共を、大事な弟子たちと言われるのですが、私を超えて、肉親を死する場合には、私にふさわしくない、私が受け取るべきものを、持つことはできないと言われるのでありうます。
 そして、自分の十字架を担って、私の後についてこない者は、私にふさわしくないと、あらためて弟子の道は、主イエスと同じく、十字架と苦難の生涯であることを諭しておられるのであります。そして、最後までその道を耐え忍ぶ者は、救われることを示し、自分の命を見出した者は、それを滅ぼし、私のために、自分の命を滅ばした者は、それを見出すであろう。すなわち、まことの自己、永遠の命を見出すであろうと約束されています。
 そして、最後に、あなた方を歓迎する者は、私を歓迎するのであり、私を歓迎する者は、私を遣わされた方を歓迎するのである。預言者を預言者の名へと、歓迎する者は、預言者の酬いを受ける。正しい物、義人を義人の名へと歓迎する者は義人の酬いを受ける。これは、遣わされる弟子たちのことであります。
 また、これらのいと小さき者たちの一人を、ただ私の弟子の名へと、冷たいもの、一杯を飲ませてくれる者は、まことに言っておくが、その報い、弟子と酬い、すなわち、弟子たちと同じ祝福、御国の支配、永遠の命という報酬を、決して失うことはないと約束しておられる。
 これは、主の弟子たちをもてなす人たち、あるいは信者たちを励ましておられるのではなくて、むしろ、これから、困難な中へと遣わされていく弟子たち、そしてそれは、今の信者である私たちに向けての励ましの言葉なのであります。
 いと小さき者であるキリストの弟子である私たちすべてへの励ましの言葉なのであります。そして、最後には真の平和を告げる者とされているのです。

 人知ではとうていはかり知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守られるように。アーメン。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

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