2017年4月10日月曜日

「謙りの主イエスの都入り」(マタイによる福音書第21章1節~11節)

マタイによる福音書第211-11節、201749日(枝の主日礼拝―紫―)、ゼカリヤ書第99-10節、フィリピの信徒への手紙第26-11節、讃美唱22/2(詩編第2224-32節)

説教「謙りの主イエスの都入り」(マタイによる福音書第211節~11節)

 今日から、受難週、聖週間が始まりました。今朝の主の日は枝の主日と呼ばれます。待降節、アドベントの最初の日曜日にも、先ほど一緒にお読みしましたマタイによる福音書第21章1節から11節までが読まれます。それは、新しい一年の信仰生活を、まことの王、主イエスを、私どもの生活の中にお迎えする用意をするために、その記事を持って礼拝をし、歩み出すわけです。
 そして、レントの最後の日曜日に、同じこの聖書個所が与えられているのは、クリスマスで、主イエスがお生まれになり、地上で生活なさり、みわざとお働きをなさったのちに、時が来て、十字架に向かわれる。そして、都エルサレムで受難の1週間を、ここからお始めになる。そして、捕えられ、十字架に付けられ、最後まで、父なる神のご意志に従って、苦しまれ、ついに死なれて墓に納められるが、三日後に、死人の中から、旧約聖書によって預言されていたとおりに、起き上がらされるに至るのであります。
 その主イエスの地上での歩みを、今朝の記事の中に、私どもはその全体の姿を読み取ることができるのであります。
 今日の出来事とその意味をしばらくご一緒に考えていきたいと思います。
 先ほどお読みしましたように、主イエスと大群衆は、ホサナ、ホサナと歓呼の声をあげながら、エルサレムの都へと入って行きました。
 そのとき、迎えたエルサレムの人たちはどうであったか。彼らは、この人は一体だれなのかと戸惑い、それどころは、揺り動かされたというのであります。
 これは、主イエスがベツレヘムでお生まれになったときに、東の方から博士たちがやって来て、ユダヤの王としてお生まれになった方はどこにいますかと問うたとき、ヘロデ大王と全エルサレムは、うろたえたと書いてあるのと同じ言葉が使われています。
 彼らは、地震を受けたようになったというのです。歓迎するどころか、心騒ぐばかりで、このまことの王を拒んだのであります。それに対して、ガリラヤから、過ぎ越しの祭りで一緒になってエルサレムに巡礼し、主イエスと共に都入りをする群衆は、「この方は、ガリラヤのナザレから出た預言者イエスだ」と賛美しながら応えている。
 主イエスがだれなのかを、巡っては、人間は中立であることはないし、そうはできないのであります。神の民であるはずの都の民、シオンの娘は、主イエス、神の子を拒み、ガリラヤからの群衆は、主イエスを喜び、歓呼の声をあげつつ入城しているのであります。
 今日のお出でになっておられるお方を、自分のまことの王として受け入れるのか、それとも、今の自分には必要ない、あるいは、無益だと拒むのかが、私ども一人一人に問われてくる出来事であります。
 その出来事を、今日のテキストのみ言葉に従って、丁寧に見ていきましょう。
主イエスは、エリコから、オリーブ山へと、ベトファゲへと、エルサレムに向かって近づかれたとき、弟子の二人を遣わして言われます。向かいの村へと行きなさい、すると、ろばがつながれているのを見出す。それをほどいて、引いてきなさい。もしだれかが何か言ったら、その主がそれを必要としているとあられます応えなさい、そうすればすぐに渡してくれる。そして、彼らは、出て行ってそのとおりにしたと記されています。
 主イエスが命じられるとおりにすることが、私ども主に従う者がなすべき生き方なのであります。そして、二人は、雌ろばとその子ろばを引いてくる。
 これによって、マタイは次の預言者の言葉が満たされることになったと言います。すなわち、エルサレムの娘よ、あなたの王があなたのところにお出でになる。彼は柔和な方で、雌ろばと荷を負う言葉に乗って。
エルサレムの娘、神の民のところに、主はお出でになる。そして、それは今では私たちのところへであります。この方は柔和な方であり、重荷を、私どものために担ってくださるお方であって、王でありながら、私どもの罪や重荷を担ってくださる。そういうふうにして、平和をもたらされる王である。
 柔和なお方、へりくだられて、十字架の死に至るまで父なる神のご意志に従われ、苦しまれる、仕えるしもべであられる王である。 力によって戦争をする王ではなく、ただ戦争がないというだけの平和をもたらされる王でもない。積極的に、仕える事を通してこそ、まことの幸いが得られるのではないでしょうか。自分の才能や力によって、人を支配する。そこからは、真の幸いも救いも、私どもは得ることはできないのであります。 そして、連れて来た雌ろばと子ろばの上に、二人は自分たちの上着を敷くと主イエスはそれにお乗りになります。そして、大群衆は、上着を主の進まれる前に広げたり、野から枝を切ってきて敷く。そして、ホサナ、ダビデの子に!主のみ名によってこられる方に祝福あれ、ホサナ、いと高きところに、と歓呼しながら都に入っていく。ホサナとは今助けて下さい、あるいは、万歳といった喜びの叫び声であります。これによって、詩編118編の、人々が無益だといって捨てた石が隅の親石になったとある預言が満たされることになったのであります。主はそのようなまことの王として、そして、十字架に付かれる王として、今日私どものところにお出でになられている。その主を仰ぎ見たいのであります。アーメン。









 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

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