2017年4月5日水曜日

「マルタの信仰告白」(ヨハネ福音書第11章17節~53節)

ヨハネによる福音書第1117-53節、201742日(四旬節第5主日礼拝―紫―)、エゼキエル書第3310-16節、ローマの信徒への手紙第51-5節、讃美唱116(詩編第1161-19節)
 
説教「マルタの信仰告白」(ヨハネ福音書第1117節~53節)

 今、レントの時を過ごしています。今日は非常に長いヨハネによる福音書からのみ言葉を、皆さんと一緒に声を合わせて読みました。そして、今朝は、はるばるフィンランドからの思わぬお二人のお方と共に礼拝に与っています。
 この飯田教会を建てた、この教会の初代宣教師サホライネン先生のひい孫娘に当たるミーナ・サホライネンさんとそのご主人ミカ・ベンホーラさんご夫婦です。
 そして、先ほどは、いみじくも、マルタが、信仰告白をする、長いペリコペー、聖書個所を一緒に朗読したのですが、この個所が、この日に与えられたのも、不思議な神の導きのように思います。
 100年以上も前に、飯田の地に来たビートリ・サホライネン先生もまた、今の私たちがしているのと同じように、式文を用い、今日与えられているような聖書日課を用いながら、この飯田の地で、同じような礼拝を持ったことだろうと思います。
 そして、たまたま、一緒に今日お読みしたこの福音の個所は、サホライネン先生たちを思い起こさせるのにふさわしい個所であります。
 100年前に、この地に、主イエス・キリストの福音の種を蒔いたサホライネン先生も、今では遠い過去の人のようですけれども、そのなさった働きは、消えることはなく引き継がれ、ここに教会、幼稚園は存続し、そのひい孫に当たる方とそのご主人が、曽祖父の残した遺産を確かめようと訪ねて、一緒に今礼拝をしているのであります。「私を信じる者はたとえ死んでも生きる。生きていて私へと信じゆだねる者は皆、決して死ぬことはない。」これは、サホライネン宣教師にとって、当てはまるみ言葉であります。
 さて、今日の福音はこういうものでありました。
 エルサレムの近くの村、ベタニアのマルタとマリアの弟ラザロが何かの病気で危篤となります。
 その知らせを、二人から聞いた主イエスは、どういうわけか、すぐには助けに行かれなかった。そして、この病を通して、神の栄光が表されることになると、主は不思議な言葉を弟子たちにお語りになりました。
 そして、ついにラザロはなくなり、四日後、主イエスとその一行は、ベタニアの村はずれまでやって来ます。
 それを聞きつけたマルタは、主をお迎えしに、その場所までやって来ます。そして、主にお会いするなり、「主よ、あなたがいてくださったら、私の兄弟は死ななかったでしょうに」と悲しみを吐露します。
 そして、しかし、今でも、あなたが神にお求めになることは何でも、神はお与えになると知っておりますと言いますと、主は、あなたの兄弟は起き上がると不思議な言葉を返されます。
 マルタは、終わりの日における起き上がり、復活において彼も起き上がるであろうことは信じていますと言うと、主は「私は、起き上がり、復活であり、命である」と言われました。
 そして、私を信じる者は死んでも生きる。生きていて、私へと信じる者は皆、もう死ぬことはないと言われたのであります。
 そして、マルタに向かって、このことを、あなたは信じるかと問われる。マルタは、それに対してはっきりと答えることができました。「私は信じました、あなたこそ、メシア、神の子、そして、この世にお出でになられるお方だと。」
 この応答、信仰告白は、聖霊の不思議な促しによってなされたとしか言いようがありません。
 この後、マルタは、マリアを家に呼びに行きます。マリアは、先生があなたを呼んでおられると聞くとすぐに起き上がり、主の下に急いで行って、足もとにひれ伏し、同じように「主よ、あなたがいてくださったら、弟は死ななかったでしょうに」と言います。そのとき、エルサレムから、弔問に訪れていたユダヤ人たちも、後を追って来ていました。
 そして、この情景を見て、盲人の目を開けたこの方も、ラザロを死から救い出すことはできなかったのかと評します。

 主は、この時、ラザロのために涙を流されますが、彼らの言葉に対して、深くお感じになり、自ら動揺されたとあります。新共同訳はこれを、「憤りを、主はお覚えになった」と訳しています。何に対してお怒りになったのでしょうか。それは、彼らの不信仰に対してであります。主が命と死との主であられることを信じない私どもに対する憤りです。 そして、主は、ラザロの墓石をどかせて、天の父に向かって感謝の祈りをささげられ、この祈りは周りにいる者たちのためにする祈りだと言われ、ラザロよ、出てきなさいとお命じになる。すると、死人は包帯のような者に巻かれたまま出て来る。主は、それをほどいてやって、行かせなさいと言われました。このことによって、それを見た多くのユダヤ人たちは、主を信じたが、それを信じないで、エルサレムに引き返し、ユダヤ当局に告げ知らせる者たちもいました。そして話し合った後、ついに主は、十字架の死へと決定されるのです。しかし、主を生きていて信じる者は皆、もう死ぬことはない。このみ言葉は日々の生活の只中で真実です。アーメン。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

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